声を人が聞き分けるしくみ

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声は人が声帯を使って出す音ですが、その音色は細かく分類されていて、人はこれが組み合わされた音を言葉としてコミニケーションに用いています。ここではこの音色がどのようにして成り立っているかを説明します。
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難聴電話機
 

一般的に人には20Hz〜20,000Hzの振動が音として聞こえるとされています。Hz(ヘルツ)とは1秒間に振動する回数(周波数)の単位です。つまり20Hzは1秒間に20回振動するという意味です。そしてこの振動回数が低い音は低音、高い音は高音と呼ばれますが何Hz以上が高音と決められている訳ではありません。そして周波数が低い連続音はブー、高い連続音はピー、或いはチィーといった感じに聞こえます。つまり周波数が異なると異なる音色の音として認識されます。しかし楽器や虫の声 等、私達を取り巻く音は、大きさや継続時間の異なる様々な周波数の音が複雑に組み合わさっています。そしてこの組み合わせの違いにより、人には異なる音色として聞こえます。そのため音には無限の音色が存在します。

 言葉は異なる音色の音が組み立てられて成り立っています。つまり日本語では50音というのが基本になっていますがこの50音は音色の異なる音声を分類したものです。
例えば「イ」という声には、主に、350Hz前後の音と2,600Hz前後の成分があります。また、「エ」という声は700Hz前後と2,200Hz前後の音により成り立っています。
この発音の中の異なる周波数声音を専門用語でホルマントと呼びます。また低い方のホルマントは第一ホルマント、高い方は第二ホルマントと呼ばれます。
パソコンによる音声合成ではこのフォルマントを利用して言葉をつくり出します。また、実際には第三ホルマントや第四ホルマントも存在します。しかし、これらの音量は大変小さい上に無くても十分認識できるので通常の説明では第一ホルマントと第二ホルマントが用いられます。

 第1ホルマントと第2ホルマントでは第一ホルマントのほうが大きく、通常は13〜16倍のレベル差があります。そのため難聴になると第一ホルマントは聞こえても第二フォルマントが聞こえないというようなことが起こります。このような場合、声は聞こえても何を言っているか分からないという症状になります。


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